発達障害、自閉症、ADHD、アスペルガーなどの発達援助

Q&A

発達障害児はなぜ運動が苦手だったり表情がとぼしいの?

発達障害を有する子どもたちの最も深刻な課題は運動機能の障害と対人関係の障害です。

その原因は中枢神経系のはたらきに不全が存在するからであろうと言われています。しかし日本では発達障害の根本的原因が中枢神経系の不全にあることはほとんど理解されていないのが現実です。

顔の表情も微細運動表現で、大脳のはたらきで生じるものではなく、中枢神経系の部位である小脳が刺激され、小脳および大脳の辺縁系において生起された感情は脳幹に伝えられ、脳幹が小脳に指令を出し、小脳は脊髄の力を借りて、微細な運動表現として、笑顔などの表情をつくり表現するのです。

このように感情や情緒というものは、大脳と脳幹と小脳の一連のはたらきを土台として表出されます。
感情などの表出には、中枢神経系と連動している末梢神経との相互作用のはたらきが不可欠です。

大脳→脳幹→小脳→脊髄間の調整の結果、感情・情緒・ことばの表出も可能となるのです

中枢神経系は人間の生存にとって不可欠な情報センターと言われています。
私たちは、この中枢神経系のはたらきを正常化させるために有効な発達援助法を臨床研究してきました。

ことばが遅いけど話せるようになるの?

当院のところにやってくる親の一番の悩み・心配の種は、わが子のことばの発達についてです。
言語の発達といっても、具体的には“話し言葉”の発達のことですが、親たちはことばが出てこない、言語が話せないという悩みを訴えられます。本クリニックでは、ことばの訓練は致しておりません。子どもの「話し言葉」の基礎となる思考、理解、判断などの基本的能力を育てるプログラムを臨床的に行い、「話し言葉」を発達させます。

しかし、そのような子どもでも、長い時間をかけて発達クリニックに継続的に参加していると、徐々にではありますが、ほぼ例外なく日常生活において何の不自由もないほどの言葉の発達がみられるようになります。

一般的に発達障害は、部分的な発達の遅れなどを示すものではなく、全体的な発達の遅れを示します。
発達障害の症状は、運動発達、言語発達、対人意識、コミュニケーションなどの領域における不全が重複してみられるケースがほとんどです。
例えば話ことばの発達のみがが遅れているということはあり得なく、必ず他の領域の障害の症状が重複してみられます。

話し言葉だけを教え込もうとしても問題の解決にはなりません

自閉症は治るの?

現在国際的に見ても現在自閉症の治療法はないといわれています。
しかし、私どもの治療法によって自閉傾向を軽減させ、本来の発達の軌道にのせることはできます。
逆に良くない環境に置くと自閉傾向を強めてしまうばかりか、自傷行為などの二次障害を引き起こす可能性もあります

3才になるまで障害の有無がわからないの?

赤ちゃんの頃から言葉(喃語)が遅い、人への関心が薄いなどの異常に気づきながらも、3才にならないと診断ができないと言われ、それまでの間なんの対策もできずにどんどん自閉傾向が強くなっていくというケースが多いのが現状です。
発達障害児は乳児期からサインを示しています。

一般的に知られているように、療育は早ければ早い方が効果が期待できます。
私どもの治療法もしかりです。
この大事な時期を無駄にしないように、以下のような症状に気づいたら1日でも早い対応が必要です。

乳幼児期の発達障害症状の例(小関研究結果)

  1. うぶ声の欠如、弱さ
  2. 哺乳力の欠如、弱さ、ほとんど吸う力がない
  3. 吐乳があった
  4. 泣かない、ほとんど泣かない(特に空腹になっても泣かない)
  5. 泣かず寝てばかりいる(仮眼傾向)
  6. ほほ笑みの欠如、ほとんどほほ笑まない(生後4~8週過ぎてもほほ笑まない)
  7. あやしても反応がない
  8. 身体を動かすことがほとんどない(特におむつ替えの際に下脚をほとんど動かさない)
  9. 人の顔、目を見つめることができない
  10. 人の手に触れることがない、触れようとしても触れさせない
  11. 喃語発語が見られない(生後4か月~)
  12. 生後9カ月を経ても人見知りがない
  13. 抱っこしても抱きついてこない、バランスをかけない
  14. 生後4か月経ても声を出して笑わない
  15. おつむテンテンなどの身ぶりのまねをしない
  16. 生後10カ月を経ても声かけに反応しない
  17. 呼んでもふり向かない
  18. おもちゃを与えてもつかもうとしない、すぐに口に持っていく
  19. おもちゃを与えてもすぐに離してしまう
  20. 生後8カ月を経てもお座りができない
  21. 生後15カ月を経てもほとんど歩くことができない
  22. 生後24か月を経てもバランス歩行ができない(歩けてもべた足歩行)
  23. 生後30か月を経ても意味のある話しことば(2語文以上)がほとんどでない

発達障害の原因は何?

発達障害の原因については諸説ありますが、臨床研究を通して周産期のトラブルによるものが多いと実感しています。周産期(妊娠28週以後~生後1週間以内)は体内環境を含め低栄養などの諸要因によって生じる無酸素性あるいは低酸素状態により脳の然るべき部位間の不調整・不全をひきおこしやすくなります。

微弱陣痛も同様です。4時間以上の微弱陣痛は胎児の脳に貯蔵されている酸素の量が減少し、低酸素症による脳障害(主として運動神経障害)が生じる危険が増大します。

改善するために家庭で気をつけることは?

◆しつけ
発達障害を有するこどものしつけ(育児)は大変難しいものです。
とくに食事に関しては偏食が多く、バランスのとれた栄養の不足が原因で、なかなか健康体として育ちにくく、肥満、風邪をひきやすい、すぐ発熱するといった身体ができてしまいます。
まずは健康な体を作ることが大切です。

しつけの基本はふれ合い(タッチング)です.

食べ物やごほうびを与えてしつけてはいけません
効果的なしつけの報酬は励まし、勇気づけ、称賛です

◆早寝早起き
午前中は活動的、午後は普通の活動、夜は休息という流れを整える
日常的夜更かし、睡眠不足は脳内のブドウ糖や酸素欠乏をもたらし、知的能力の発達を難しくします。
規則正しい生活リズムが大切です

◆バランスのとれた食事
一日三食、子どもの正常な成長・発達に欠かせない栄養は高タンパク質とビタミン、ミネラル類などを含んだ食品を多く摂るようこころがけてください。
おやつに刺激分、糖質分の多いものを食べれば、肝心の食事時間に血糖値が上がっているため食欲が生じません。

◆十分な運動
障害児の多くは、心身の調整がとりにくい上に、自発的な身体活動をすることが少なく、また過保護も加わって慢性的運動不足になりやすいので、彼らの運動不足を解消させることが生活リズムづくりの第一歩といえます。
歩行を中心とした散歩的な運動から始め、毎日少しずつ距離や時間を延ばしていきます。
歩行運動は、一人でさせるのではなく、ワーカーや親が子どもの左手のひらをかるく握って、リズムをとりながら歩きます。

左手を持って歩くのに慣れてくると、子どもとワーカーとの協調運動が生じてきます。
協調運動は、一緒に歩いているという実感をもたらし、心のつながりもできてきます。

十分な運動が食欲と熟睡に結びつきます。

◆テレビを見せない
テレビはとくに乳幼児にとって刺激が強すぎます。
連続的な強い物理的刺激が大脳全体を疲労させてしまい、人間的ふれあいの妨げになります。

◆執着する物は排除する
発達障害児は文字、マーク、電車や、車、テレビコマーシャル、ゲーム、携帯電話(スマートフォン)、特定のキャラクターなどに強いこだわりをもち、興味がかたよりやすい特徴がありますが、それを助長しないようにしてください。
何よりも人とのかかわり合いが大切なので、そこに興味が向くようにしなくてはなりません。

発達援助プログラムは、こうした健康で規則正しい生活の基盤の上に効果が発揮されます.
私どもと、ご家庭との共同作業なのだという事をどうぞご理解ください

お気軽にご相談ください TEL 092-929-2351 受付時間 9:00 - 19:00

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